JT杯 菅井竜也七段ー中村太地王座戦を振り返ります。
戦型は先手中飛車に対して、急戦を選択。図の△65歩に①▲同歩は△同桂、▲59角、△86歩、▲同歩、△88歩のような攻めがあります。
本譜は②▲38銀から進んで図2。
図から△13角が好手。珍しい筋ですが、①▲同角成、△同香は△78角や△45角が残るため後手優勢になります。本譜は②▲46歩と角交換を拒否しました。
以下、「Ⅰ」△35角と▲15歩を避けておいて駒組を進める手もありましたが、本譜は「Ⅱ」△86歩、▲同歩、△77歩、▲同桂、△同桂成、▲同銀、△35歩、▲26飛車、△34桂、▲25飛車、△24銀と飛車を捕獲しました。
しかし後手は△34桂が目標になるだけの駒となるため、飛車を取ってもそこまで駒得という感じではありません。以下、▲同飛車、△同歩、▲56金(図3)
図では①△42金直として、▲45金に△33金を用意しておけば難しい戦いでした。以下、▲15歩、△同歩、▲同香には△17歩の反撃が嫌味です。
本譜は②△33桂と跳ねましたが、▲36歩が厳しく、以下△同歩、▲35歩、△37歩成、▲同玉、△25桂、▲28玉、△76歩、▲同銀、△79飛車、▲59金、△99飛車成、▲34歩で先手勝勢。以下は先手勝ちとなりました。
菅井七段らしい指し回しで快勝し、準決勝進出となりました。