銀河戦決勝戦 行方尚史八段ー佐藤天彦名人戦を振り返ります。
戦型は引き飛車棒銀に。▲25銀と出る手は先日の青野ー藤井戦でもありましたが、後手が△33角と上がっていないため、①△35歩には▲24歩と攻めることができるのが主張と思われます。しかしそれでも以下△33桂、▲23歩成、△同金、▲24歩、△13金、▲34銀、△同飛車、▲23歩成、△25歩、▲22と、△同銀となれば角銀交換ながら歩切れが痛く後手が指しやすい形勢。
本譜は②△54飛車、▲68銀、△55角とトリッキーな受け。進んで図2。
図では①△44飛車と回る手があり、「Ⅰ」▲56歩には△47飛車成~△56龍があるため、「Ⅱ」▲38金等と上がるしかありませんが、△45飛車~△44角~△27歩~△26歩~△25飛車のように銀を狙う手があります。
本譜は②△44角から進んで図3。
後手は戦場となっている2筋から玉を遠ざける駒組を選択。図から▲44角、△同飛車、▲66角、△27角で難解な戦いが始まりました。進んで図4。
先手は端攻めから両取りをかけましたが、後手も△25飛車から銀を回収できるため、難しい展開。進んで図5。
図から▲36銀、△26飛車、▲18桂、△同と、▲27香と飛車を取りに行きますが、3枚駒を投資しているため、割りに合わない取り方と言えます。以下は後手勝勢の流れとなりますが…。進んで図6。
図では①△83金で後手勝勢。本譜は②△74銀、▲72馬、△77金、▲66玉で先手玉が寄らず怪しくなります。進んで図7。
図では①▲73馬なら△65銀左、▲67玉、△29龍に▲61銀が厳しく先手が残していそうでした。
本譜は②▲53桂成、△同金と桂を渡したため、先手玉が詰めろ(△65銀左、▲67玉、△66香、▲58玉、△38龍、▲48歩、△46桂)となり、▲76玉と寄りましたが△75桂が厳しく後手の逆転勝ちとなりました。
大熱戦を制した佐藤名人が銀河戦優勝となりました。おめでとうございました。