羽生善治竜王ー佐々木勇気六段(Abema TVトーナメント〔アベマ〕第1局)を振り返ります。
(本局のハイライト解説動画はこちら)
戦型は相掛かりの出だしとなり、図から①△86歩と8筋の歩交換をするのが普通ですが、②△14歩が珍しい一手。
▲77角と上がられると、8筋の歩交換はできなくなりますが、代わりに銀の進出等に手をかけることができます。進んで図2。
この辺りまで進むと渡辺棋王等が得意としている△73銀戦法(参考:山崎ー渡辺戦)に近い形。
図から△75歩と仕掛けて戦いが始まりました。以下、▲35歩、△76歩、▲同銀、△44角、▲56飛車、△55歩、▲36飛車、△35歩と進みましたが、先手は飛車の動きで損をしており、この辺りで形勢は後手に傾きました。進んで図3。
図では①△77歩成、▲同桂、△同桂成、▲同金、△36歩(飛車取り)、▲同飛車、△44桂と打てば飛車を35や26逃げると△56桂から飛車を抜かれてしまうため、後手優勢でした。
本譜は②△44角、▲同角、△同歩、▲56角、△43角、▲66歩、△77歩成、▲同桂、△86銀、▲65桂、△79飛車成、▲86金、△19龍と勢い良く攻めていきますが、駒損のため難しい形勢。進んで図4。
図では、①▲29歩と打ち、△54歩なら▲23角成と攻めて行く手が勝りました。
本譜は②▲38歩でしたが、何かの時に一段目に駒を打たれて寄せられる形なのが痛いところ。以下、△54歩、▲16飛車、△同龍、▲34角に△19龍が詰めろで入り後手優勢に。
以下は後手が勝ち切り、佐々木六段の先勝となりました。第2局へ続く。
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