佐藤康光九段ー中村太地王座(JT杯) 観戦記

佐藤康光九段ー中村太地王座戦(JT杯)を振り返ります。

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(解説動画はこちら

戦型は先手となった佐藤九段のダイレクト向かい飛車に。先日のNHK杯戦佐藤ー塚田戦でも採用された戦型です。

図の▲66角がいきなり意表を突く手。意味としては、ダイレクト向かい飛車を指す場合に、自分から▲22角成と角を換えずに▲77桂と跳ねたいということだと思います(▲22角成とすると一手損になります)。

図以下、①△34歩、▲88飛車、△66角、▲同歩、△67角には、▲55角で香取りが受からないため、直接咎める手は無さそうです。本譜は②△42玉から進んで図2。

角交換振り飛車に対し、△72金からバランスを取る指し方は昔は考えられなかった形ですが、ソフトの影響もあり近年は珍しい駒組では無くなっています。

(私も実戦で指したことがありますので、よければ自戦記も参照ください。準優勝記①

図では、瞬間後手の形が壁銀となっていますので、①▲69飛車から動きを見せた方が良かったと思います。本譜は②▲26歩から銀冠にしましたが、後手にも狙いがあります。進んで図3。

△44銀型はネット将棋等でよく指される戦型で、地下鉄飛車の含みがあります。

図では、①△54歩と待って場合によっては千日手を狙う指し方もありますが、本譜は②△35銀と仕掛けました。

以下、▲同銀、△同歩に「Ⅰ」▲36歩と桂頭を狙い難しい戦いでしたが、本譜は「Ⅱ」▲46角。対して△67銀(図4)が厳しい手でした。

図の銀打ちは角換わりでも良く出てくる手筋(豊島ー藤井聡太戦等)で、取ると△78角の両取りがあります。

図から、▲65歩、△68銀、▲64歩、△同銀、▲68角、△78金、▲35角、△89金、▲65歩と進みますが、瞬間飛車損では流石に先手が勝てません。進んで図5。

図の▲54銀はハッとする手で、①△同歩なら▲53銀と打ち込んでいこうということです。それでも後手優勢ですが、本譜は②△44歩。

「大駒は近づけて受けよ」の格言どおりの一手で、「Ⅰ」▲同角なら△54歩、▲53銀の時に△43玉と逃げることができます。本譜は「Ⅱ」▲63銀打以下、進んで図6。

先手の攻めが完全に切れてしまい、図から△35桂、▲36銀、△49銀の寄せが厳しく以下後手勝ちとなりました。

途中からは佐藤九段の腕力が発揮できない展開となってしまいましたが、中村王座の受けが光った1局でした。

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