Abema TVトーナメント 藤井聡太七段ー高見泰地叡王戦(第3局)を振り返ります。
決着局(参考:第1局、第2局)の戦型は横歩取り青野流に。図の51金型は村山ー高見戦等の実戦例があります。
図ではいきなり①▲45桂と跳ねる手もありますが、本譜は②▲35飛車、△82飛車に▲45桂と時間差で跳ねていきました。以下、△88角成、▲同銀、△64角(△44角もある)
図では①▲77桂、△19角成、▲65桂や、②▲83歩~▲84歩~▲66角のような手も有力でしたが、本譜は③▲46角。
以下、△44歩、▲64角、△同歩、▲23歩、△同銀、▲24歩、△同銀、▲34飛車とトリッキーな手順に。進んで図3。
図では①△28角が有力で、以下▲83歩、△同飛車、▲84歩、△82飛車、▲46角、△37歩、▲同角、△同角成、▲同銀、△55角となれば後手が指しやすい展開。
本譜は②△37歩、▲29銀、△85飛車(▲83歩~▲84歩の防ぎ)に、▲22歩が手筋で、以下△同金、▲66角、△32玉、▲34飛車、△33桂(図4)
図で▲25歩は手筋ですが、△45飛車で難しい局面。以下▲24歩に、①△25飛車は▲31銀が好手で寄り筋となりますが、②△65角と打つ手は有力でした。以下、「Ⅰ」▲56銀は△25飛車と回れますし、「Ⅱ」▲48金はそこで△54桂と打てば本譜より得しています。
本譜は③△54桂ですが、▲33角成、△同金、▲23歩成、△同玉、▲35飛車、△同飛車、▲同歩(図5)
図で後手に思わしい手がありませんでした。本譜の△45角には▲56銀で、以下①△27角成は、▲25飛車、△24飛車、▲27飛車、△同飛車成、▲45角の王手飛車があります。
本譜は②△46桂、▲同歩、△27角成(▲25飛車~▲27飛車には△36角の王手飛車)、としますが、▲21飛車から香を取って▲28香が厳しく先手勝勢に。進んで図6。
図は迷いそうな局面ですが、▲31角、△52玉、▲53角成でなんと詰んでしまいました。以下、①△61玉は▲51龍、②△同銀も▲同桂成~▲51龍で詰みとなります。
最後まで藤井七段らしい将棋で、決勝進出となりました。
3局ともお互いの持ち味が出て、短い持ち時間ながら素晴らしい将棋で堪能させて頂きました。
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