NHK杯 羽生善治竜王ー高野智史四段戦 観戦記

NHK杯 羽生善治竜王ー高野智史四段戦を振り返ります。

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1回戦(参考:永瀬ー高野戦)で永瀬七段に勝って勢いに乗る若手が羽生竜王に挑戦。対する羽生竜王は1回戦シードのため、今回が今年度初登場となりました。

戦型は角換わりに。先手は最近では珍しい▲58金型から▲45歩と位を取る作戦ですが、竜王自身は先日の順位戦A級 羽生ー糸谷戦でも指しています。

その対局は後手が①△63銀から右玉に構えましたが、本譜は②△65歩と仕掛けました。

この手は、藤井聡太ー豊島将之戦で指された手で、以下、▲同歩、△同銀に、「Ⅰ」▲同銀と取ると、△同桂、▲66銀、△86歩、▲同歩、△88歩、▲同玉、△75銀!のタダ捨てが妙手で千日手になるという有名な手筋があります(居飛車党は覚えておくと良いでしょう)。

本譜は「Ⅱ」▲64歩(図2)と変化しました。

羽生竜王らしい柔らかい手で、狙いは▲63歩成、△同金、▲72角の両取りです。

対して、①△54銀と引いておく手もありましたが、本譜は相手の狙いを恐れず、②△56銀と切り合いました。以下▲63歩成(図3)

図では①△65桂の攻め合いも有力でした。以下、▲62とが次の▲63角の詰めろ(▲41金以下)飛車取りを見て厳しい手ですが、△31玉と引いておいて、▲56歩には△46角があるため、後手も相当でした。

本譜は②△61飛車ですが、▲62と、△同飛車、▲46角(図4)が好手。

後手の飛車が先手陣に素通しで以下にも怖い形ですが、見切って最強の手を指せるのが羽生竜王の強さですね。

以下、△69銀、▲68金右、△78銀成、▲同金で、①△67銀成には、▲73角成、△78成銀、▲同飛車、△69金、▲88玉、△67飛車成、▲68金、△同金、▲同銀で受け切り。

従って本譜は②△65桂と跳ねましたが、▲73角成(図5)がまた好手でした。

後手陣は42玉型のため、飛車を持たれると弱いという弱点を突いた一手で、例えば①△77桂成、▲同桂、△61飛車、▲56歩、△39角、▲62銀、△28角成、▲61銀、△31玉、▲41金、△22玉、▲62飛車のような展開は先手勝ちとなります。

本譜は②△72金と粘りますが、▲62馬、△同金、▲56歩で先手の駒得が大きい展開。以下、△46角、▲88玉、△37角成、▲68飛車、△77桂成、▲同金、△61歩(図6)。

図はどう寄せるかという局面ですが、▲71銀が俗手ながら、守りの金に働きかける教科書どおりの一手。以下、△31玉、▲62銀、△46馬にも▲78金打とがっちり受けて、先手玉は寄りません。進んで図7。

図から▲41銀も先ほどと同様、守りの金を狙う教科書通りの一手です。以下、△31金、▲52飛車成、△42桂、▲25桂、△68角成、▲33桂成、△同桂、▲32銀(図8)

△68角成にうっかり①▲同金と取ってしまうと、△79銀からどこかで△41金と銀を補充する手があるため、逆転となりますが、構わず②▲33桂成、△同桂、▲32銀打と寄せ合い、一手勝ちとなります。

図以下、①△同金は、▲同銀成、△同玉、▲41角、△21玉、▲79金打、△同馬、△68銀、▲78金引、△79銀、▲同金、△58飛車成、▲68角で先手優勢ですが、こちらの方がアヤがあったでしょうか。

本譜は②△79銀、▲98玉、△21金打、▲同銀成、△同玉、▲68金、△同銀、▲32金、△同金、▲同銀成、△同玉、▲41角で先手勝ちとなりました。

最後は▲68金と、角を補充できるのがぴったりでした。

羽生竜王らしい、終始一手勝ちを目指す最強の指し手と教科書どおりの寄せが参考になる1局でした。

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“NHK杯 羽生善治竜王ー高野智史四段戦 観戦記” への1件の返信

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