ヒューリック杯棋聖戦 里見香奈女流四冠ー藤井聡太七段戦 観戦記

ヒューリック杯棋聖戦 里見香奈女流四冠ー藤井聡太七段戦を振り返ります。

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女流棋士の里見四冠が、藤井聡太七段に挑む注目対決の戦型は先手中飛車となりました。

1筋の交換を除けば、先日の王位戦第1局 菅井ー豊島戦と同様に。ここで△62金と新趣向を見せましたが、結果的にはあまりうまくいきませんでした。進んで図2。

図では、次に▲45歩、△同銀、▲46歩と銀を捕獲するような筋もあるため、△55歩と押さえました。

しかしそれでも①▲45歩と突く手はありました。以下、△同銀、▲55銀に△65桂のような手は▲95角が62金に当たるのが、62金型のデメリットになります。

本譜は②▲38金。実戦的にはこの手を指したいところではあります。以下、進んで図3。

図は△53銀と引いたところ。ここでは本譜のように①▲55銀と行きたくなるところですが、代えて②▲68角も有力でした。以下、△54銀、▲45歩で、次に▲35歩からの歩交換や、▲77桂から▲75歩のような手段があり、先手が指しやすい展開でした。

本譜の①▲55銀、△同銀には「Ⅰ」▲同角が勝り、以下△同角、▲同飛車、△22角、▲59飛車、△99角成、▲75歩(▲26角も有力)で香損ながら、後手の歩切れが痛く、先手有利となります。本譜は「Ⅱ」▲同飛車、△15歩(図4)。

図の△15歩が抜群のタイミング。相当深くまで読まないと指せない手ですし、この局面でこの手を指そうと思うセンスが素晴らし過ぎますね。

効果は後程明らかになります。図以下、▲同歩、△55角、▲同角、△44銀、▲66角、△57銀、▲45歩、△66銀成(図5)。

図では当然①▲44歩と取りたくなるところですが、これが敗着に近い手になってしまいました。代えて、単に②▲66歩が勝り、△33銀と引く手に▲26角が好手で難しい勝負でした。(以下、一例で、△49飛車、▲58銀打、△69飛車成、▲同銀、△59飛車成、▲39銀、△49金、▲62角成、△39金、▲同金、△48銀、▲38金打、△39銀、▲同金、△48金、▲38金打となれば千日手模様。)

本譜の①▲44歩にはじっと△同歩が好手で、以下▲66歩に△18歩(図6)と打てるのが先ほど1筋を突き捨てた効果。

ここまで見越しての図4での△15歩でした。以下、▲同香、△49飛車で金取りと△19角が同時には受かりません。以下①▲25銀打、△69飛車成、▲34銀と、金を見捨てて勝負すればまだアヤはありましたが、本譜は②▲58銀打。これには△19角、▲17玉、△29飛車成、▲25銀に△58飛車成(図7)が決め手。

以下、▲同金、△28銀で寄り筋となり、後手勝ちとなりました。

苦しい序盤戦から△15歩~△44同歩~△18歩の一発で逆転勝ちに仕留めた藤井七段の強さが光った1局でした。敗れた里見四冠も持ち味は出せたのではないでしょうか。素晴らしい1局でした。

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