順位戦B級1組 畠山鎮七段ー屋敷伸之九段戦を振り返ります。
戦型は6筋位取りのよくありそうな局面となりました。図から△75歩、▲同歩、△同角の仕掛けに対し、先手も▲15歩から反撃します。進んで図2。
図では①△86歩と攻める手が有力でした。以下▲同銀、△同角、△85歩の継ぎ歩が厳しい手になります。
本譜は②△17歩、▲同飛車、△83香以下進んで図3。
図から▲87香、△85歩に▲77歩が好手でした。以下△64角で打った香は取られますが、その間に攻めることができます。進んで図4。
図の▲33香が畠山七段らしい鋭い一手。以下、△同銀、▲25桂、△22銀、▲33角、△52玉、▲22角成で決まったかと思われましたが、△81香、▲79桂、△76銀(図5)が強烈な勝負手。
①▲同歩は△68角成、▲86歩、△同飛車、▲同金、△同香、▲87歩、△78金、▲98玉、△79馬で後手玉が詰まず後手勝ちとなります。
②▲78銀打なら「Ⅰ」△82香打は詰めろになっておらず、▲32馬で先手勝ち。「Ⅱ」△85香は▲76金で詰めろが続かず先手勝ちとなります。
本譜は③▲78玉と寄りましたが、△77角成、▲同桂、△87銀成以下寄り筋となり、後手の逆転勝ちとなりました。
△76銀が逆転を呼び込む素晴らしい一手でした。