NHK杯 中村太地王座ー横山泰明六段戦 観戦記

NHK杯 中村太地王座ー横山泰明六段戦を振り返ります。

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横山六段得意の横歩取りを避けたと思われる3手目25歩(参考:3手目25歩について)に対し、①△84歩が珍しい一手。普通は②△33角ですが、それだと角換わりになるため、後手が相掛かりを志向するのであれば、確かにこちらの方が良いですね。

以下、▲78金、△32金、▲24歩、△同歩、▲同飛車、△85歩(図2)

先手は飛車先交換はできますが、図で①▲76歩だと、避けたはずの横歩取りの局面に戻ってしまいますし、②▲34飛車は△86歩から飛車を26に転換されるのが気になります。

従って本譜は③▲38銀以下進んで図3。

68玉と25飛車の組み合わせは先日の朝日杯奥村アマー佐々木戦でも出た形です。

図の△74飛車は相掛かりでよくある揺さぶりですが、95歩型のため角交換して▲82角の筋には△94飛車で受かるため、やりやすくなっています。

図から▲77金に△35歩、▲同飛車、△24飛車と更に揺さぶりをかけていきました。進んで図4。

お互い2筋8筋を歩で受けずに一段金で飛車成を防いでいるのが面白い形。持ち歩の枚数をキープしておきたいのと飛車の可動域を考慮しての選択でしょう。

図から△73桂、▲84飛車、△83歩、▲86飛車(▲74飛車は△64歩で飛車が危ない)、△75歩で歩を取り返せるため後手もまずまずといったところ。進んで図5。

図では後手が陣形の差で優勢となっています。ここで①△54飛車が有力で、対して先手の飛車を横に逃がすのは△65桂が痛いですし、▲54同飛車は飛車交換後に△36歩の傷が残ります。

本譜は②△76歩ですが、これも陣形の差を活かして戦いを起こすという意味で思想は①△54飛車と同じです。以下角交換を避けて「Ⅰ」▲66金が勝りましたが、本譜は「Ⅱ」▲76同金。これには角交換後△28角と打ち込んで後手優勢となります。進んで図6。

馬を作られたのに対し、先手は駒損を避けるために36に生角を打たされているのが辛い形。図以下、▲44金から攻めて行きますが、守りの金で攻めているためあまりうれしくはありません。進んで図7。

銀を入手して狙いの▲28銀で馬を殺しますが、△同馬、▲同飛車(▲同歩なら△44銀等で△35銀を狙う手がある)に△66歩が筋の一手で▲同歩に△46金が厳しい一手で先手は勝てない展開となりました。進んで図8。

図から△97桂成の空き王手が当然ながら決め手で、①▲同玉には△96飛車の一手詰みがあるため、②▲77玉と逃げるしかないですが、△88成桂、▲43角成、△51玉、▲88玉、△69飛車、▲58金に△54銀(図9)

この手が馬取りと同時に△89飛車成、▲同玉、△87飛車成以下の詰めろになっているのが、正に勝ち将棋鬼のごとしで、以下後手勝ちとなりました。

中村王座としては不完全燃焼な1局になってしまいましたが、横山六段は1回戦の木村戦に続き、2局連続の快勝でこの後も活躍が期待されます。

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