JT杯 丸山忠久九段ー久保利明王将戦を振り返ります。
戦型は33桂型の角交換振り飛車で、先日のA級順位戦(参考:稲葉―久保戦)でも久保王将が採用していた形です。
図では▲86歩と待つ手や▲38飛車等も有力でしたが、本譜は▲55歩と仕掛けました。以下、△同歩、▲同角、△73角、▲同角成、△同桂(図2)
図では①▲75歩と仕掛ける手もありました。
以下一例で、△39角、▲48飛車、△同角成、▲同金、△28飛車、▲57金、△29飛車成、▲74歩、△76桂、▲77玉、△65桂、▲76玉、△57桂不成、▲同銀まで進めば、▲46角のラインが厳しく先手有利。しかし実戦では選びづらい順です。
本譜は②▲66角以下進んで図3。
図で①△64角と打ちましたが、▲66歩から目標となってしまいました。代えて②△43金等で手を渡した方が良かったようです。
▲66歩以下、△51飛車、▲65歩、△同桂、▲66金、△57桂不成(△57桂成は▲65金)、▲59金、△76歩、▲65金、△86角、▲58飛車(図4)で先手優勢。
後手陣はスカスカで桂を渡すと一発で寄ってしまう形をしているのが辛いところです。後手の金が32で遊んでいるのも辛いですね。進んで図5。
図から▲83飛車以下即詰みとなりました。先手の玉側に厚みを築く作戦が功を奏した1局でした。
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