NHK杯 竹内雄悟四段ー阿久津主税八段戦を振り返ります。
戦型は相振り飛車となりました。阿久津八段は居飛車党ですが、初手▲56歩~▲58飛車だったため、相振り飛車を選択したということでしょう。
※相振り飛車になると、先手は形を決めすぎているというデメリットがあります。
進んで図2。
先手は一直線に銀を繰り出して仕掛けていきましたが、交換しても攻めの銀同士であるため、あまり戦果はあがりません。
※むしろ手数をかけて出ていった銀を交換したために、手損が残るというデメリットもあります。
進んで図3。
ここは手が広いところですが、△45銀が押さえ込みを図る一手。後手だけ銀を手放すことになりますが、この場合は、以下▲59飛車、△35歩で、△25歩~△35歩の玉頭の厚みが大きくなります。進んで図4。
後手から仕掛けられて先手はまとめ方が難しくなっています。
図以下、▲33角成、△同桂、▲31角、△21飛車、▲22銀(まだしも▲75角成とすべき)、△31飛車、▲同銀不成、△36歩、▲同歩、△64角(図5)
△36歩でコビンを空けて、△64角が絶好の一手。31の銀取りですが、そもそも先手玉に対する角のラインを止めること自体が難しい局面です。
以下、▲53歩と開き直りましたが、△46歩、▲37桂、△45桂、▲52歩成、△47歩成(図6)、と▲52歩成を恐れずに踏み込んで後手勝勢。
以下後手勝ちとなりました。
最後▲同玉は△37桂成から△15桂の筋があります。