棋王戦 中村太地王座ー増田康宏六段戦を振り返ります。
先後同型から、端を手抜くことで一手早く△54銀と出る作戦。9筋を手抜くケースが多いですが、どちらが良いのは分かりません。心理的には玉側の端はあまり詰められたくないですが…。進んで図2。
ここまで来ると千日手になりそうな局面で後手の作戦が成功していそうです。
図以下、▲29飛車に①△22玉もありましたが、本譜は②△63銀~△54歩と後手から打開しました。進んで図3。
図から△55歩、▲同銀、△同角、▲同角、△38銀(図4)と飛車金両取りをかけます。一見後手がうまくいったようですが…
図から①▲82角と打てば、両取り逃げるべからずの好手で先手優勢でした。以下、△72銀、▲75歩、△29銀、▲74歩が一例ですが、以下73で精算した後手の41飛車が目標になりやすいです。
本譜は②▲19飛車以下進んで図5。
この辺りで①▲73角成と切って、△同金に▲33桂と打ち込んでいっても先手優勢でした。本譜は②▲14香以下進んで図6。
図から▲51角と鋭い手を放ちますが、△52金で受かっています。以下、▲73角成に△97香と放り込んだのが鋭い寄せ。進んで図7。
図は色々勝ちがありますが、△96金(取ると△84桂以下詰み)、▲88玉に△43飛車と一歩補充したのが決め手で、▲同銀成に△99角以下ぴったり詰みとなりました。
角換わりらしい展開から、最後は増田六段らしい鋭い寄せが決まった1局でした。
増田先生、これからもずっと頑張って👍。