叡王戦 木下浩一七段ー宮田敦史七段戦を振り返ります。戦型は先手中飛車となりました。
当ブログでも何度か紹介している形(参考:先手中飛車対策)。
しかし図の△74歩はやや危険な手で、厳密には△52金、▲46歩の交換を入れてから突くべきです。理由は本譜で明らかになります。
図から、▲57銀が新手。△55銀と取られるので考えづらいですが、以下▲56銀とぶつけて王手飛車含みでさばく狙いです。
※余談ですが、前回上記「先手中飛車対策」の記事を書いた際に知り合いのアマ強豪から、「あの作戦は▲57銀で先手必勝ですよ。」とラインで連絡がありました。このような連絡は研究のキッカケになり歓迎なので、是非どんどん連絡ください。
さて、▲57銀以下△55銀(△73銀も有力)、▲56銀、△64銀、▲22角成、△同玉、▲45銀(図2)
このような展開になると上記で述べた、△52金と▲46歩の交換を入れた方が明らかに得なのが分かりますね。
図以下、△32金、▲77角、△33角、▲66歩、△75歩、▲65歩(図3)
図で①△65同銀は▲34銀で王手飛車のラインがあるため、受けづらいです。
本譜は、②△73銀ですが、これでは後手が辛くなりました。進んで図4。
図では指しづらいですが、①▲52金と入るのが好手で、△72金、▲32角、△64銀、▲11成桂まで進むと次の▲68香が受けづらいです。
本譜は②▲52と、△43玉で難しい戦いに。進んで図5。
図から▲33飛車成、△同玉、▲58金打が振り飛車らしい勝ち方。美濃囲いが全く寄らなくなりました。以下先手勝ちとなりました。振り飛車のお手本のような1局でした。
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