羽生善治2冠の4月~6月の対局を次の一手形式で振り返ります。
<第1問>
図は龍当たりになっており、忙しい局面ですが、決め手がありました。
*****
*****
*****
正解は▲51金!
タダのところに金を放り込むのが決め手でした。詰めろのため、後手は取るぐらいしかないですが、▲71龍と手順に龍当たりを解除できます。
以下、①△61金なら龍取りですが、先手玉の詰めろが解除されるため、▲63桂成で勝ちとなります。
本譜は②△61桂でしたが、▲18玉の早逃げが好手で先手玉への詰めろが続かず先手勝ちとなりました。
参考:羽生善治ー佐藤天彦戦
<第2問>
並みの人はここでは受けに回りますが、羽生2冠は一気に寄せてしまいました。
*****
*****
*****
正解は▲65歩!
▲65歩、△同香と吊り上げた後、▲53香成、△同玉、▲31馬、△同金、▲45桂。上に逃げるのは詰みとなるため、△62玉しかありませんが、▲53銀、△72玉に▲83角が決め手。取るのは詰みとなるため、△82玉しかありませんが、▲65角成と香を抜くことができます。ここまで見越しての▲65歩でした。
参考:羽生善治ー松尾歩戦
<第3問>
図は両取りをかけられたところですが、「両取り逃げるべからず」の格言どおり手抜いて寄せに行きましょう。
*****
*****
*****
正解は▲52角!
以下△42金打しかないですが、▲43桂が好手。①△同金左は▲41飛車成、△同金、▲43角成で寄りとなります。
本譜は②△22玉ですが、▲41角成以下先手勝ちとなりました。
参考:羽生善治ー豊島将之戦