藤井聡太の6月の対局を次の一手形式で振り返ります。
<第1問>
図は既に先手勝勢ですが、藤井聡太らしいカッコいい決め手があります。考えてみてください。
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正解は▲75飛車!
飛車を切って△同角に▲78香が自玉の固さを活かした手順で、後手投了となりました。後手陣は▲74歩の傷等があり、支えきれません。
代えて▲73角成、△同金、▲65桂と答えた方がいらっしゃれば、それもかなり鋭い寄せです。
参考:藤井聡太ー中村亮介戦
<第2問>
これはあまりにも有名ですが、知らない方がいれば覚えましょう。
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正解は△7七同飛車成!
飛車をぶった切る奇跡の一手。対して▲同桂は△7六桂で寄り筋のため、▲同金ですが、△8五桂が△6八銀以下の詰めろとなり勝負ありました。
参考:石田直裕ー藤井聡太戦
<第3問>
図はお互い中段玉の激戦。目が回りそうですが、ここで藤井聡太が指した一手をお考え下さい。
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正解は△6七銀!
銀をタダで捨てますが、取ると△6九飛車成以下詰みとなります。
本譜は▲46玉に△55角以下寄り筋となりました。
参考:近藤誠也ー藤井聡太戦
<第4問>
図は先手勝勢ですが、藤井聡太の指したスマートな一手を考えてください。
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正解は▲5二歩!
龍取りを恐れてはいけません。後手は金が無いため、42・32の地点が同時には受かりません。以下、△同金に▲32銀打、△51玉、▲52銀成、△同飛車、▲62金で詰みとなりました。
参考:藤井聡太ー橋本崇載戦
<第5問>
図は「と金」を作られて後手が苦しそうな局面。しかし次の一手で景色が一変します。お考え下さい。
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正解は△9五歩!
▲同歩には△97歩~△65歩で角が利いてきます。「と金」を反対側に作られても、玉側で勝負すれば良いという大局観が光りました。
参考:深浦康市-藤井聡太戦
<第6問>
ここは序盤のセンスが問われる局面です。藤井聡太が指した一手をお考え下さい。
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正解は△3三金!
通常悪形と言われる形ですが、この場合は2~4筋を手厚くする柔軟な好手でした。以下△32玉~△43銀となれば、バランスの良い構えとなります。
参考:都成竜馬-藤井聡太戦
<第7問>
難解な終盤の入り口辺りの局面。ここで当たりを強くする手筋があります。お考え下さい。
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正解は△7八歩!
単に△76歩は▲33歩と攻め合われた時に△77歩成が甘くなります。
△78歩、▲同金を利かしてから△76歩と打てば、△77歩成の後、金を取ることができるため、手抜くことができません。
以下先手も▲95角と応酬し、難解な戦いが続きましたが、最後は先手の勝ちとなりました。
参考:増田康宏-藤井聡太戦
以上6月の将棋から次の一手7問でした。