竜王戦 増田康宏六段ー藤井聡太七段戦

増田ー藤井戦を振り返ります。戦型は矢倉となりました。

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先日の戦型予想では雁木か角換わりを予想しましたが、早速外れました。相手に的を絞らせないという意味では、様々な戦型が指せるのは現代将棋では重要で、その辺りも流石増田六段と言えるでしょう。進んで図2。

5手目▲77銀に対しては、叡王戦で出てきたように2筋の飛車先交換を受けない指し方もありますが、藤井七段の好みではないようです。井上ー藤井戦(年度末に藤井七段の16連勝が止まった一局。思えばその将棋以来負けていないという異常な強さ)同様急戦矢倉含みの駒組となりました。進んで図3。

先日の渡辺ー横山戦のように先手は普通に矢倉に組む人が多いところですが、増田六段の銀は桂の利き(77・57・37)に入らない67・47を好むため、左右いずれの銀もそこに配置しない将棋は増田六段の辞書には無いのでしょう。進んで図4。

△65歩は決断の一手。持久戦になれば模様が良くなりそうですが、△65桂と跳ねて攻め合う筋が無くなるため、一方的に攻められる展開も懸念されます。対して▲68銀と引いて攻めを見せました。先後逆ですが、先日の高見ー増田戦でも同じ筋がありました。

さて、5手目▲77銀を見て矢倉とカテゴライズしましたが、▲68銀と引いてしまうと、もはや矢倉という戦型に分類するのは適切ではないのかもしれません。進んで図5。

先手は5筋を交換し3筋から攻めていきました。▲34歩に①△同銀は▲44角、△33桂、▲24飛車、△23銀、▲29飛車、△24歩、▲34歩、△同銀、▲45桂、△43金右、▲24飛車、△44金、▲33桂成、△同金、▲21飛車成が一例で先手の攻めを凌ぐのは容易ではありません。

従って本譜は②△22銀と我慢して進んで図6。

△22歩が受けの手筋で、形は歪ですが、飛車・角の利きを一遍に止めることで受けやすくしています。以下▲44角、△34銀、▲23歩、△同銀、▲45桂(図7)

途中▲23歩が手筋で、銀をバックさせることで、例えばここで△43金右なら▲23飛車成、△同歩、▲71銀のような攻めがあります。

本譜は△43歩から進んで図8。

△42角では後手が苦しくなりました。▲33歩は緩和されていますが、本譜の▲53歩がありました。以下、△同銀、▲75歩、△84飛車、▲85歩(図9)が強手。

以下△同飛車に①▲74歩、△89飛車成、▲79金、△84龍、▲73歩成と飛車を成らせて攻めていくのが先手の読みでした。

ただし、本譜の①▲74歩では②▲87歩と一つ歩を下げて受けるのが冷静な好手でした。以下△75歩なら▲53桂成、△同角、▲74銀があります。

本譜は▲73歩成以下、△78歩、▲同金、△76歩(図10)が厳しい反撃でした。

ここで▲95角と派手な一手が飛び出しましたが、△同龍で後手有利。以下▲53桂成、△同角、▲45桂(図11)

ここは①△77桂で後手優勢でした。取るとバラして△44角のような手があるため、▲59玉と逃げるくらいですが、そこで△75角と出ておけば先手玉の安全度が本譜と段違いでした。

本譜は単に②△75角に▲53歩、△42金右、▲63と、△41玉に▲51銀(図12)が厳しい追撃。

図で△51同玉と取ると▲23飛車成で寄り筋となります。しかし先ほどの△77桂、▲59玉の交換が入っていたならば▲23飛車成に、△37角の合い駒請求があり、▲48銀、△23歩で後手勝ちでした。このように少しの形の違いが勝敗を分けるのが将棋の面白いところです。

図以下△33桂と粘りますが、▲23飛車成、△同金、▲52歩成、△同金、▲同と、△同玉、▲53金、△同角、▲同桂成、△同玉、▲62角、△64玉、▲95角成(図13)

龍を抜かれては万事窮す。以下先手の勝ちとなりました。

藤井七段の竜王獲得を期待していたので残念でしたが、無敵とも思えた藤井七段に勝った増田六段もまた怪物だと感じました。これからも若手で将棋界を盛り上げていってほしいですね。本局は増田六段の切れ味の鋭さが存分に発揮された名局でした。

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