叡王戦 三浦弘行九段ー屋敷伸之九段戦を振り返ります。戦型は角換わりとなりました。
後手は早繰り銀を採用しました。類型で永瀬ー佐藤(天)戦や渡辺(明)ー永瀬戦等がありますが、あまり後手がうまくいくイメージはありません。進んで図2。
△84銀の瞬間に▲45桂と跳ねていくのは1つの形ですが、▲68玉等待つ手もあるところだったため、決断の一手と言えます。対して△22銀から桂を取りに行く手も有力でした。本譜の△44銀では桂を取ることができないため、先手としても安心します。進んで図3。
ここは①▲68玉等でも後手の手が難しいところでした。本譜は②▲75歩、△同銀、▲33歩、△同桂、▲34歩、△45桂、▲同歩、△55銀、▲67桂、△66銀右、▲55桂、△同銀(図4)と進みます。
▲33歩~▲34歩は部分的には厳しい手筋ですが、本局の場合後手の84銀を進出させてしまっているデメリットも大きいです。
ここは①▲33銀と打ち込みたくなるところですが、△同金、▲同歩成、△同金、▲71角、△52飛車と進むと意外と次の手が難しいです。
代えて②▲51角、△21桂、▲56歩、△64銀、▲71銀のように進める方が良かったようです。
本譜は△52飛車以下、▲62金、△22飛車、▲63金、△41桂、▲34歩、△同金、▲53金と進めましたが、△65角が攻防の一手。
以下後手の勝ちとなりました。
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