阿久津ー松尾戦を振り返ります。戦型は相掛かりとなりました。
先日のNHK杯でも出た形です。ここで①△24歩や②△74歩はリスクもある手になりますので、③△86歩と動きました。指されてみるとなるほどの一手で、横歩を取れれば後手もまずまずとなります。
本譜は▲33角成~▲88銀としましたが、以下飛車を引いて△74歩と突けば、後手としては手損なく図1からの△74歩に▲45銀の筋を防げている計算になります。進んで図2。
先手は▲66角と打って局面を動かしに行きました。先日の両者の対局では、以下飛車を引く手に▲24飛と走り、△25歩に▲33角成、△同玉、▲25飛という展開になり、結果は先手が勝ちましたが、角を切って攻めるのは流石にやりすぎで、正確に指せば後手良しとなるため、後手としては気にする筋ではありません。
本譜は図2以下、△83飛に▲36歩から穏やかな進行となりました。進んで図3。
▲86歩は取ると▲38飛で次の▲34歩が受からないという狙いです。
ここで△62金から駒組を進めるのもありましたが、本譜は△75歩から動きました。
以下、▲同歩に①△54飛としましたが、代えて②△36歩として▲同銀なら△54飛とする手が勝りました。本譜は△54飛車に形よく▲56銀と受けられてしまい形勢を損ねました。進んで図4。
▲56銀と上がられているため、ここで△37角と打ち込む手が利きません。
本譜は△37歩成、▲同桂、△36歩と攻めましたが、▲45桂で①△37歩成には▲33桂成~▲34桂が厳しいため②△44歩と突くよりなく、以下▲33桂成、△同金、▲47金で先手優勢となりました。進んで図5。
ここは▲72桂成~▲22銀で寄り筋でしたが、本譜は▲18飛からもつれます。進んで図6。
ここは王手なので、①△78歩成と取りたくなるところですが、②△65飛で次に△59角があるため寄りでした。
①△78歩成では▲同玉の後の手が無かったようで将棋に勝つには雰囲気ではなく正確な読みが必要であることを再認識しました。進んで図7。
ここは▲86銀打で先手玉に寄りはありませんでした。本譜は▲75同銀と取ったため、以下△同飛、▲76銀打、△65飛、▲同銀、△75金と縛られ、以下後手玉を詰ましにいきますが、詰まずに後手勝ちとなりました。