名人戦第3局 羽生善治2冠ー佐藤天彦名人戦を振り返ります。戦型は角換わりとなりました。
ここまでは先日の深浦ー広瀬戦と同様です。その対局はここで△54銀と指しましたが、結局後で△63銀と引くことになったため、本局は△64角と打ちました。進んで図2。
63に銀を置いておいたことで△75歩と突けるようになりました。また、▲56歩のタイミングで突くことで、▲同歩に△同角が48の金に当たります。
対してここで▲57角がこの形でよく出てくる好点の角打ち(参考:松尾ー近藤戦)。以下先手は7筋の位を取ることができます。進んで図3。
封じ手の局面ですが、先手は厚みがある代わりに玉が薄い点に気を付ける必要があります。ここから後手は△42角から△64銀と組み替えましたが、先手も▲46角と引けるのが大きいです。進んで図4。
ここは▲86歩~▲85歩~▲86金から後手陣を圧迫すれば先手良しでした。▲74歩や、二歩持った時の▲34歩~▲35歩が厳しい狙いになります。
本譜は▲57角から進んで図5。
ここは△63金と力を溜めて、機をみて△74歩や△54歩の攻めをみせれば、後手も十分戦えました。
本譜は△94歩~△74歩~△75歩と攻めましたが、先手は銀を取られてもそれ以上に▲73歩成と桂を取れるのが大きい一手。進んで図6。
ここで▲74と、△同飛、▲85金が先手を取る受けで、以下△71飛に▲26桂が刺さります。進んで図7。
ここは▲74歩などと受けても優勢ですが、▲34桂が一番早い勝ち方。△77銀と打たれても▲69玉で先手玉は広く、つかまりません。進んで図8。
▲54歩が気持ちの良い一手で、△63金も▲64角、△同金、▲53歩成で寄りのため、後手は銀取りを受ける術がありません。以下羽生2冠の勝ち。後手としては▲26桂を打たれたのが見た目以上に厳しく、先手快勝の1局となりました。
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