NHK杯 上野裕和五段ー松尾歩八段戦を振り返ります。戦型は角換わりとなりました。
図は△65桂と跳ねたところ。この形では、▲同銀取ってしまう手もありました。以下、△同歩に▲54桂が狙いの一手。62の銀を取った後、△同金は▲71銀、△同飛は▲73角があります。
本譜は▲88銀と引きましたが、△35歩から桂頭を攻める筋があるので先手としては面白くない展開と言えます。進んで図2。
▲77角の両取りに対し、△81飛と逃げたところですが、図では▲34桂と打つ手も有力でした。以下、△52玉、▲11角成、△25馬、▲21馬、△66桂、▲67金右、△58馬、▲77玉、△78桂成、▲同飛、△59馬、▲68飛が一例で難解な将棋。
本譜は▲11角成としましたが、△25馬から△33桂で馬が使いづらくなってしまいました。進んで図3。
ここは▲77玉と早逃げしておけば、次の▲86歩で先手玉が相当寄らない形となるため、難しい戦いでした。
本譜は▲32馬から▲23飛成としましたが、△66歩が厳しい反撃となり後手勝ちとなりました。角換わりらしいねじり合いで参考になる一局でした。