5手目77銀(図1)に対しては、普通に矢倉に組むのもありますが、△73銀から速攻を仕掛けるのが流行形。
図から先手が飛車先を伸ばしても2筋は受けません。進んで図2。
後手は足早に△73銀、△64銀として△75歩の仕掛けを見せるのが狙いになります。図2で飛車を引く手もありますが、▲34飛と取ったのが、名人戦の稲葉ー佐藤(天)戦。以下、△44角、▲24飛、△22銀、▲28飛(図3)と進みます。
▲34飛に△44角は一つの形で、簡単には飛車を2筋に戻らせないようにします。▲24飛に△22銀も大事なところで、△23歩だと歩切れになり、主張が無くなってしまいます。▲28飛と引く手に代えて他の手を指すと、△35角や△26歩で飛車を捕獲するような手があります。
図3で後手の指し手は色々ありますが、△26歩と垂らして飛車を△25に転換したり、銀交換して27に打ち込んでいくのがひとつの狙いになります。稲葉ー佐藤(天)戦では駒組が進み、図4になりました。
△33桂で力を貯めて、ついに△26歩と垂らしました。ここでは既に先手が指しづくなっています。以下、後手は△55銀から駒を入手して△45桂等の攻めを狙います。進んで図5。
この局面は△27銀や△37歩の狙いがあり、先手は収拾がつかなくなっています。
後手がこの戦法を指す場合は、このような展開をイメージして指すと良いでしょう。
“5手目77銀対飛車先切らせ73銀型①” への4件の返信