名人戦第1局 羽生善治竜王ー佐藤天彦名人戦

佐藤名人に羽生竜王が挑戦する名人戦第1局を検討します。
戦型は流行の青野流になりました。

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△62玉は比較的珍しい手ですが、佐藤名人が連採している戦型です。
以下、▲36飛、△84飛、▲26飛、△88角成、▲同銀、△44角、▲21飛成、△88角成、▲95角、△89馬、▲84角、△78馬(図2)。

▲26飛は本譜の△44角からの決戦が見えているので挑戦的な一手です。代えて▲38金が無難なところでした。
後手としても誘われたらいくしかない、ということでお互い一歩も引かない激しい攻め合いになりました。

話はすこし逸れますが、図2の局面は1年ほど前に流行した戦型に類似しています。初手から▲76歩、△34歩、▲26歩、△84歩、▲25歩、△85歩、▲78金、△32金、▲24歩、△同歩、▲同飛、△86歩、▲同歩、△同飛、▲58玉、△52玉、▲22角成、△同銀、▲77角、△89飛成、▲22角成、△15角、▲21馬、△24角、▲32馬(参考図)

先手が横歩を取らずに▲58玉と上がり、△52玉を見て決戦を挑む展開です。
厳密には後手が良さそうなので、最近指されないですが、この図と図2を比較すると、図2では先手が一歩多く持っている代わりに、後手の玉が52から62に移動している計算になります。それが果たしてどちらの得になっているのか、といったことを考える必要があり、羽生竜王は先手が得と見て本譜を選択したのでしょう。

図2以下、▲82歩。

この歩は参考図でもありますが、この場合、△同銀に▲74桂があるのでより厳しくなっています。一般的には龍から遠いので、52より62に玉がいた方が安全ですが、メリットがあればデメリットもあるということですね。
△83歩、▲81歩成、△84歩、▲71と、△同金、▲48玉(図4)

封じ手の局面ですが、ここはかなり手が広いところ。今回だけでは結論が出そうにないので、またプロ棋戦で指されるのではないでしょうか。
本譜は図4以下、△38歩、▲同銀、△12角、▲26龍、△67角成、▲64歩、△27歩、▲同銀、△65桂(図5)
△38歩は難しい手で、普通は同銀で美濃囲いができるので損としたものですが、この場合は玉の逃げ道を塞ぐ効果があるようです。

ここはポイントの局面で、本譜は薄くなってしまったので、▲58銀と受けた方が良かったようです。
図5以下、▲38玉、△49馬、▲同玉、△67馬、▲58桂、△57桂成、▲63歩成、△同玉、▲75桂、△62玉、▲63歩、△51玉、▲24角、△33歩、▲57角、△同馬(図6)

△49馬から切り込んで寄りかと思いましたが、先手も手順を尽くして▲24角から▲48銀で頑張ります。この辺りは流石の攻防です。
図6以下、△59金、▲同玉、△68金、▲49玉、△58金、▲39玉、△48金、▲28玉、△61銀(図7)

△59金が当然ながら鋭い一着ですが、28玉まで行くと意外と耐久力があるため、後手も61銀で補強します。ここから先手の歩の手筋が出ます。
図7以下、▲62歩成、△同金、▲63歩、△72金、▲81飛、△71桂、▲62歩成、△同玉、▲64桂、△63歩、▲72桂成、△同銀、▲82飛成、△81銀打(図8)

▲62歩成が手筋で、後手の形を乱します。代えて▲62金などと打ち込むのは後手に駒を渡してしまい、負けになってしまいます。
▲81飛では、つい▲64桂と打ちたくなりますが、△42玉、▲72桂成、△34歩で捕まえづらくなるため、▲81飛で桂を使わせて再度の▲62歩成で玉を危険地帯に呼び込んだのが、流石羽生竜王の寄せでした。
図8以下、▲51金、△同玉、▲71龍、△61桂、▲18玉、△62角、▲52歩、△同玉、▲81龍、△75馬、▲72龍(図9)まで先手勝ち。

▲51金が決め手で、龍取りを解除してから▲18玉で先手に詰めろが続きません。初戦から大熱戦を制した羽生竜王が復位に向けて幸先の良い1勝を挙げました。今後の対局も楽しみですね。

 

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